制限酵素のイタリック表記は必要ない

このブログ、自分の覚書のためにも書くことにしています。読者の皆さんにとっては、「え!?そんなことも知らなかったの?」とか「は?それが何か?」と思われる内容もあるかもしれません。

でも、私が長年知らなかった(あるいは忘れていたこと)をウェブ上に記事として示すことで、私と同じように発見する人もいるかもしれませんので。

 

制限酵素の表記法(nomenclature)について、私は指導教官に「最初の三文字はイタリック体、後ろはブロック体で書くように」と教わりました。例えば、EcoRI、HindIIIなど。これは、最初の三文字が制限酵素が得られた生物の学名から来ているからです。学名はイタリックで表記するという決まりがあるので、そのようになっています。この手の説明は、「制限酵素 イタリック」でGoogleとすぐに見つかります。

nomenclatureについては、「知らないと素人だと思われる」ところがあり、論文を書くときにも結構気をつけて書くようにする必要があります。一方、論文をレビュー(査読)する立場になると、nomenclatureがちゃんとしていないと「基本ができてない」と考えてしまいがちです。

で、最近レビューをしていて、制限酵素の表記がイタリックになっていないものに出会いました。それで、「表記がちゃんとしてない」と指摘する前にまずは現在の標準を調べてみました。

ちゃちゃっとサーベイしてみつけたのが以下の論文です。

A nomenclature for restriction enzymes, DNA methyltransferases, homing endonucleases and their genes.

Roberts RJ, Belfort M, Bestor T, Bhagwat AS, Bickle TA, Bitinaite J, Blumenthal RM, Degtyarev SKh, Dryden DT, Dybvig K, Firman K, Gromova ES, Gumport RI, Halford SE, Hattman S, Heitman J, Hornby DP, Janulaitis A, Jeltsch A, Josephsen J, Kiss A, Klaenhammer TR, Kobayashi I, Kong H, Krüger DH, Lacks S, Marinus MG, Miyahara M, Morgan RD, Murray NE, Nagaraja V, Piekarowicz A, Pingoud A, Raleigh E, Rao DN, Reich N, Repin VE, Selker EU, Shaw PC, Stein DC, Stoddard BL, Szybalski W, Trautner TA, Van Etten JL, Vitor JM, Wilson GG, Xu SY.

Nucleic Acids Res. 2003 Apr 1;31(7):1805-12. PMID:12654995

 

制限酵素などの酵素のnomenclatureの取り決めについて書いた論文です。ここに、「Italics will no longer be used for the first three‐letter acronym of the REase or MTase name.」とあります。

なんてことでしょう!! 今から10年以上前に、「もうイタリックは使わない」って決まってたなんて!!

「イタリックにしなさい」なんて指摘してたら逆に恥を書くところでした。情報は常にアップデートが必要ですね、という話でした。

 

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