細胞あたりのタンパク質の分子数はいくつ?

1つの細胞あたりどれくらいのタンパク質(分子数)があるのでしょうか?

これは割と単純な問いですが、研究者でもぱっと応えられる人は多くないように思います。

細胞の体積あたりのタンパク質の重量とタンパク質の平均のアミノ酸数から大雑把に見積もると、酵母では100×10^6(1×10^8)という数字が出てくるようです(文献1)。

近年、質量分析によって、細胞内のそれぞれのタンパク質の細胞あたりの分子数がかなり正確にわかるようになってきました。そうなってくると、それを全部足してしまえば、細胞あたりのタンパク質の分子数の総数が簡単に計算できてしまいます。

例えば、Kulakら(文献2)によるタンパク質の測定によれば、その総数は5.4×10^7という数字になります。上記のざっくりとした計算と比べると桁数も近いし、お互いに悪くない「見積り」ということはできると思います。

一方で、それでも倍近い違いがある。この違いはどこから来ているのか?どちらが間違っているのか、この単純な問いにもまだ答えが出ていません。

ちなみに同じKulakの論文のデータから、ヒト細胞(HeLa細胞)のタンパク質の総量は3.0×10^9と見積もれます。

文献

1. What is the total number of protein molecules per cell volume? A call to rethink some published values. Milo R. Bioessays. 2013 Dec;35(12):1050-5. doi: 10.1002/bies.201300066. Epub 2013 Sep 20. PMID:24114984

2. Minimal, encapsulated proteomic-sample processing applied to copy-number estimation in eukaryotic cells. Kulak NA, Pichler G, Paron I, Nagaraj N, Mann M. Nat Methods. 2014 Mar;11(3):319-24. doi: 10.1038/nmeth.2834. Epub 2014 Feb 2. PMID:24487582

 

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