論文の図とレジェンドに見る悪しき伝統

学術論文を読んだり書いたりしていてイライラさせられることがあります。それは、図(Figure)とその説明文(Legend)に見られる悪しき伝統です。

以下の例を見てください。

図1. Condition 1とCondition2における、Gene AならびにGeneB破壊の効果。1はGeneA、2はGeneB、3はコントロールである。青色はCondition1を緑色はCondition2を表している。

次にもう1つの例です。

図1. Condition 1とCondition2における、Gene AならびにGeneB破壊の効果。

 

ぱっと見てすぐに理解できるのは、明らかに下です。上では、図と説明文を交互に見なければ中身が理解できません。下ならば、その図から視線をはすす必要がありません。

さてこの2つの図、どちらが学術論文として「正しい」のでしょうか?

上のような書き方は学術論文で非常に良くみます。特に古い論文ならばほぼ上でしょう。だから現代でも上であるべきなのでしょうか?

私はこの上のような図が、作図に大きな制限があった時代の「悪しき伝統」であり、現在上のような図の見せ方をする事は全くのナンセンスである思うのです。

これは、昔の人たちがパソコンがなかった時代にどのようにして作図をしていたのかを思い起こせば良いでしょう(私も少しやったことがあります)。グラフや写真に文字を入れこむのは、多くの場合、文字のシールを張り込むという、非常に手間のかかる作業でした。

そうなると複雑な単語をグラフや写真の中に埋め込む事は非常に困難です。ですから、簡単な文字のみしか、図のなかに埋め込めなかったのです。そして、その足らない情報を説明文で補っていたのです。

現在、学術論文をパソコンを使わずに作っている人はいません。そして、その図ももちろんパソコンの描画ソフトを使って作っています。図の中に文字を入れこむ操作に何の制限もありません。したがって、この現代において上のような図を作る正当な理由はなにもないのです。

・・・ということで、私は上のような「理が通っていない」図を見せられると非常にイライラするのです。もちろん、図の中にやたらと小さな文字を書き込んで、図が見にくくなったりごちゃごちゃするというのは避けなければなりませんが。

(Visited 2,439 times, 5 visits today)

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください