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2015-02-18 (水) 09:54:54

書きかけのページです。

はじめに

「タンパク質の発現量の限界を決める要素はなにか?」これはそう簡単な問題ではありません。このページでは、この問いにまつわる、現在のさまざまな周辺知識をまとめてみたいと思います。

「細胞内で、特定のタンパク質が(を)大量に発現する(させる)」という状況には、大きく分けて2つの背景があります。1つは、細胞にそのタンパク質を大量に作らせたくて行う人為的操作。もう1つは、細胞が生命活動を営む上で起きるタンパク質の大量発現です。前者は細胞工学の視点、後者は癌などの疾患を理解する視点とも関連しています。多くの研究者にとっては、前者のほうがイメージしやすいでしょう。以下にそれぞれの背景におけるタンパク質の大量発現について考えてみたいと思います。

人工的なタンパク質の大量発現

人為的にタンパク質を大量発現させたいという背景には、大きく分けて2つの場合があります。発現させるタンパク質そのもの解析したり利用したりしたい場合と、そのタンパク質の細胞内での機能を知りたくて行う場合です。以下にそれぞれを解説します。その際、あくまでも「タンパク質の発現量の限界を決める要素はなにか?」という上記の問いに軸足をおいて解説していきます。

タンパク質そのものを大量に生産したい場合

特定のタンパク質の機能や構造を知りたい時、そのタンパク質だけを取り出して利用したい時、そのタンパク質を大量に発現させて細胞の機能を改変したい時などに、タンパク質の大量発現が行われます。例えば、特定の機能を持つ酵素を大腸菌や酵母などの細胞に大量に作らせて、それを精製し利用することがあります。タンパク質の立体構造を決めるためには、精製されたタンパク質を大量に用意する必要があります。最近では、特定の放線菌やカビしか作らない有用物質(二次代謝物)を大腸菌や酵母で作らせるために、二次代謝物を合成する酵素群の遺伝子をこれらの生物に「移植」し発現させようとする研究も進んでいます。この際にも、これらの酵素群ができるだけたくさん発現してほしいと研究者は考えます。

このように、研究のさまざまな現場では、「タンパク質を大量に発現させたい」という要求があります。ですから、始めの問いはそれほど新しい問題ではないようにも思えます。実際に、あるタンパク質を大量に発現させたいと思ってもうまくいかない場合には、研究者は試行錯誤を行います。実はこの「試行錯誤」は、細胞がそのタンパク質の発現量の限界を決めている要素を見つけ出し、改変しようとしている努力に他なりません。したがって、「人工的なタンパク質の大量発現」の研究の歴史には、始めの問いに対する答えもたくさん含まれていると考えられます。

それでは、人はタンパク質の大量発現をどのように行ってきたのでしょうか?まずは、どんなタンパク質の大量発現系があり、それぞれがどのような試行錯誤を通じて改良されてきたのかを俯瞰的に見てみましょう。理解を助けるために、無細胞系から細菌、高等細胞での人工的なタンパク質の大量発現(生産)の順に見て行きたいと思います。

  • 無細胞系
  • 細菌
  • 単細胞真核生物
  • 多細胞真核生物

タンパク質を通常の細胞が持っている量よりも多く作らせて、そのタンパク質の機能を知りたい場合

生命活動の中で起きるタンパク質の大量発現