私が執筆に関わった日本語の総説・書籍についての解説です。
守屋央朗
バイオサイエンスとインダストリー Vol.63 No.6 pp.30-33, 2005
留学時代の研究内容(グルコース感知)にシステムバイオロジー的な考え方を加えた内容を解説したものです。このような解説記事を書いたのはこれが初めてでした。
東剛人 守屋央朗 北野宏明
システム/制御/情報 Vol. 50 No. 8(システムと生命特集号)pp.309-314, 2006
共同研究者の東さんが書かれた解説です。
守屋央朗 北野宏明
実験医学(2007) Vol.25 No.2 増刊「ゲノム情報と生命現象の統合的理解」 pp191-197, 2007
この解説は、実験医学増刊の「ゲノム情報と生命現象の統合的理解」の「第4章 生命の統合的理解を目指す新技術」のひとつとして書きました。内容は、PLoS genetics e111の論文の遺伝子綱引き法(この原稿の執筆の時にgenetic Tug-Of-War法の日本語名を考えました)について、その背景と利用目的等について解説してあります。実は「さきがけ」の提案書に書いた内容に近いものです。
遺伝子綱引き法の出芽酵母細胞周期の「ロバストネス・プロファイル」をカラーで載せてもらっています。B5でも遺伝子名が見える貴重なバージョンです(編集者の方にはお手数おかけしたと思います)。
守屋央朗
酵母のすべて(大隅 良典/下田 親 編)XI章11.3
これは「酵母のすべて」という書籍で、酵母のシステムバイオロジーについて書いてくださいと下田先生・大隅先生にご依頼を受けて書かせていただいたものです。
この本は「長く読まれる価値のある本になるように、確実性の高い情報を記述する」というコンセプトした。他の筆者らはそれぞれの研究分野のエキスパートで、自分たちの仕事について記述するだけでも内容のある面々です。そのなかでわたしには、システムバイオロジーという学問分野の解説を2−3ページで、という非常に難しい依頼でした。
システムバイオロジーとはどんな分野か?その中で酵母の果たしている役割は?私はこの原稿の執筆のためにたくさんの論文を読んで、その中でこれは外せないという内容を選びました。「挿絵もオリジナルのものを」ということでしたから自分で全部描きおこしました。そのなかで自分の仕事はまだ論文になっておらず「確実性が高い情報」ではありませんでしたので割愛せざるを得ませんでした。
それでもこのように本の一部に私の文章を載せていただけるのは大変な光栄ですし、私自身にとっても酵母のシステムバイオロジーをもう一度勉強しなおす良い機会となりました。
守屋央朗
生命誌58
JTの生命誌館が出している季刊誌です。このウェブページが(ある程度)きっかけになって依頼を頂いたようです。通常の日本語の研究総説雑誌と異なり、かなり編集に力の入った雑誌であることは雑誌の内容を見ていただけると分かると思います。
正直私の仕事のレベルがこの雑誌にふさわしいとは思えなかったのですが、せっかく頂いた依頼ですので受けることにしました。「一般向けにおもしろそうに自分の仕事を紹介しようとする、それを編集の方が手直しする」という作業はなかなかしんどかったですが、とても貴重な体験になりました。科学はあくまでも客観的で冷静でなければならないという建前がありますが、人間が行うことですのでそれだけでは成り立ちません。「面白い!」「エキサイティングだ!」「驚いた!」という人間の体験が科学を動かしているのです。この雑誌への仕事などを通じて、最近それをより強く感じるようになりました。
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