この論文を書くときにもブログを書いていましたのでここで紹介します。今回も紆余曲折があった論文発表でしたが、初めての Corresponding Author(責任著者)としての論文で、最終的に自分自身の手で満足のいく論文を書き上げることが出来たのは大きな自信となりました。


 

1. 論文を書く!

書かねばならない。書かなければならないと、プレシャーばかりかかる。いろいろ理由をつけて先延ばしにしてきたがもうそろそろ本気で仕上げてしまわないと、実験のほうが先に進まない。

いや実際、まるで、試験勉強をやりたくないために部屋の片づけをはじめて見たり、本棚にある漫画をおもむろに全部読んでみたり、といった、あるいは場所を変えたらいいかも知れないというので図書館に行ってみようとしたり、ファミレスに行ってみようとしたり、結局は現実逃避にしかなっていないようなことをしてしまいそうになりながら(実際にいくつか現実逃避したのだが・・・)、先週たっぷり休みを取った手前、もう逃げられない。

集中するために耳栓を装着。その上からヘッドフォンをして自分のデスクに向かう。このラボは、フリーザーやらインキュベーターやらファーメンターやらがやたらとうるさいのだ。

耳栓の上からヘッドフォンつけて音楽聴いたらノイズがなくてなかなかよかったりする。途中、ダグが「やっぱわしのファーメンターがうるさすぎるよなぁ。改造するかなぁ・・・。」と話しかけてきた・・・別にそういうわけではないのだが・・・うるさいのは確かだが。

などとまた話が現実逃避的になっているが、今日は夕方から保育園での集まりがあるので早く帰らなければならず、それがまた集中力を高めた。なかなかのって作業ができた。

自分の実力のなさを感じてみたり、のってきたら、「俺、結構いけるかも!」と思ってみたり・・・。まあ完成まではまだしばらくかかりそうだ。ほんま論文書きというのは骨が折れる。ポスターやら、ウェブやらで仕事の話を作るのは好きなんだけどな・・・まあ査読もあるし、作り上げるときの精度がちがうからな。大雑把な人間である僕にとってはつらいワイ。

これが楽しくできるようになるときがくるのだろうか・・・来てほしいが。

by Hismoriya | 2005-09-29 17:19 | 研究生活 | Trackback | Comments(0)

 

2. 論文がやっとの事で仕上がってきた。

7-8割完成か。もう少し煮詰めよう。

by Hismoriya | 2005-10-14 21:21 | 研究生活 | Trackback | Comments(1)

 

3. 論文がほぼ完成。

後はダグに英語を見てもらう。ダグも自分の論文を早急に仕上げなければならないシチュエーションにあり、いつになるかはわからないがとにかく一段落ついた。まだ投稿がすんでいないので一段落とはいえないのだが。

by Hismoriya | 2005-11-04 13:46 | 研究生活 | Trackback | Comments(0)

 

4. ダグに見てもらったのが帰ってきた。

やはりオリジナルの体をなさないほどにずたずた。結構な自信作だったのに・・・。でも明らかに圧倒的にいい文章になっているものだからどうしようもない。「後半は、俺が直したのを参考に直してみろ。」とダグ。・・・正直無理です。

いつも私が英語に関して思っていることがある。これ以前も書いたかもしれない。英語はテニスにたとえられる(テニスに限らないが、テニスがわかりやすい)。ネイティブスピーカーは、生まれたときからラケットを握り続け毎日毎日テニスをやり続けた、いわばプロ選手。ウインブルドンレベル。私たちは所詮、物心ついてから一日数時間、クラブ活動レベル。あるいは、それ以下。週一の草テニスレベルといってよい。

それが対戦したって、ものの一球のラリーだって続きはしまい。それくらいのハンディがあると心得ておかなければならない。それとサイエンスとは別とは言いながらもだ。今回だって、ボスに2回見てもらっている。世界で活躍するボスに。それでもずたずただ。しかも明らかに訴えかける文章。しょうがないんだけどね。

論文書きは生涯学習だと、御大のブログに書いてあったけど、まあ少しずつ自分でもなんだか論文書きの手腕は上がってきているような気はするが、それでも英語がちゃんとかけてるのかどうかはお手上げだ。ダグが、「この辺は、口語的すぎるから直せ。」とどこら辺がなのかさっぱりわからん。

by Hismoriya | 2005-11-04 21:10 | 研究生活 | Trackback | Comments(0

 

5. 論文、やっと仕上がりを見せた。

ダグに見せる前に一度仕上がっていたつもりだったが、予想以上に改訂を迫られ、一度はやけくそになりそうになったが、そこで踏ん張って彼の主張を受け入れつつ改訂しまくる。

例によって途中からまたエンジンが掛かり、またしても希に見る、満足十分な仕上がりとなった。ダグも「Great!」と。まだ最終的な公正は終わっていないが、ええ感じやぞ!(半分自己陶酔も入り始めている) いけるかもしれんぞ!

妥協を許してくれなかったスパルタ親父のダグに感謝すべきだな。ほんま、今回の仕事は実験半分、論文書き半分というほどの論文書きの重点。これでないといかんのかな。ええ勉強になった・・・まだ終わったわけではないけれども。

by Hismoriya | 2005-11-10 20:57 | 研究生活 | Trackback | Comments(4)

 

6. やっとこさ投稿

ふぅ。

昨日の夜投稿バージョンをボスにメイルで送り、「問題なければ明日投稿します。」と書いた。

午後になって返事が来ないので、もう一度確認のメイルを出したらすぐに「ok」という返事。

今日中に投稿してやるつもりだったため、意地でで投稿をすませる。最近はオンラインですべて事がすむのでよいが、相手方のウェブページの反応がやたらと遅く、さらにこっちのブラウザとの相性も悪いのかエラーがでる。

お試しでカバーレターだけで処理してみたら、「投稿は確かに受け付けられました。」というメイルが来たりして、げげげ状態。

急いで本投稿を仕上げようとするもSupplementaryでうまく受け付けてくれないものもあり、ファイルをばらしたりしててんてこ舞い。

ついさっきやっと終わった。こんなんでミスがない事があるだろうか?私に限ってそれはない・・・つまりどっかにミスがあるだろうということ。

まあいずれにせよ、投稿終了だ。後は野となれ山となれ。この論文はきっと、落ちるかとおるかだろう。当たり前だって?そういう意味ではなくて、レビューアーがリバイスを要求してくるたぐいのものではないという意味。

今回は当たるも八卦かなという気がするが、落ちたらこの論文をどういう風に書き直したらいいんだろうとちょっと気が重い。

by Hismoriya | 2005-11-17 19:47 | 研究生活 | Trackback | Comments(0)

 

7. けられた。

「けられた」とはいわゆるジャルゴンで、論文をリジェクトされたときに使う。

投稿して一週間後、Editorに論文をけられた。

まあ高望みジャーナルではあったし、「一般性が低い、専門誌に出すべき」というコメントであったので、しょうがあるまい。当初の目的のジャーナルに投稿し直そう。ただ、ちょこっと気になるコメントもあり、これはそのままにしておくのは良くないかな、論文をちょっといじくってから投稿した方が良かろうなと言う感じでもある。

と、ボスに言ったら、「このエディターは知っている。ちょっと連絡とってみる。」といって、抗議(?)のメイルを書いてくれた。こちらでも手を打ちつつ待つか・・・というか返事ほんとにくれるのかなぁ・・・。

by Hismoriya | 2005-11-24 12:40 | 研究生活 | Trackback | Comments(0)

 

8. リジェクト食らったわい。

論文のレビューがかえってきた。リジェクト。

3つのレビュー。どれも短く、クリティカルにダメ出し。論文自体が短いからそうなるのかもしれないが。ちらっとレビューを読んだ限りでは、「論文を短く削りすぎた」という印象。ダグに見せる前のバージョンではきちんと議論していた部分にけちをつけられている。まあそれ以前にたぶんこのジャーナルには載らなかっただろうけれども。

ダグに見せる前のバージョンの方が良かったような気がする。レビューアー2には、「英語がダメだ」とかかれてるし・・・意味無いじゃんかよ。まあひとのせいにしてもしょうがない。次は長めの論文に書き換えよう。

それにしてもやっぱり、リジェクトはこたえるわ。

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ちゃんと読んでみた。基本的には対応できそう。まあこのジャーナルはダメだろうが。ダグに見せたら「こいつは完全に間違っている!」と憤ってた。

by Hismoriya | 2006-01-12 20:58 | 研究生活 | Trackback | Comments(0)

 

9. 論文を書く

またぞろ論文を書いている。 年明けにリジェクトされたものを書き直す。

ほとんど一から書き直した。奇をてらった論文ではなく、ちゃんとしたバイオロジーの論文にする。レターではなくてフルペイパーにする。

やっぱり僕にはちゃんと書きたいことがかけるフルペイパーの方が性に合っている気がしている。英語力の不足があってうまくまとめられないということもあるのかもしれないが。

今回の初挑戦として、最初に日本語論文を書いてみた。今までは面倒くさかったり、プライドがあったりしてこれをしなかったが、少なくとも書き出しはスムーズになったし、論を展開するのにやりやすかったような期がする。

次も、もしうったてで詰まったらやってみよう。

大分ツメが近づいていた。もう少し。

by Hismoriya | 2006-03-24 11:06 | 研究生活 | Trackback | Comments(0)

 

10. 論文投稿

論文を投稿。論文投稿前に、英文校正に出した。15万円もかかりびっくり。なおしてくれてるのはほとんど冠詞や前置詞ばっかりなのだが・・・まあそれがいちばん難しいのだが。なんとかいい返事が返ってくればうれしいのだが。

by Hismoriya3 | 2006-04-03 14:53 | 日記 | Trackback | Comments(3)

 

11. リジェクト&再投稿

今回の投稿、またもやエディターレベルでリジェクト。ジャーナルの主旨にあわないと言うこと。

しょうがないので、そもそもいちばんはじめに投稿しようとしていたジャーナルに投稿し直す。オンライン投稿システムのため、実に早い。リジェクトが決まったその日に次のジャーナルに再投稿。フォーマットを変えたり、ちょっと短くしたりはしたけれど。

今度はジャーナルの主旨にはあっているだろうが、ちょっと厳しいかなと言うのが正直な感想。

今月末ぐらいまでがんばってダメそうならばグレードを落として専門誌かな。いつまでも引っ張れない。

にしてもオンライン投稿システムには大分詳しくなったわい。同じパブリケーショングループでもジャーナルによってシステムが違ったりというのもある。

by Hismoriya3 | 2006-04-07 17:03 | 仕事 | Trackback | Comments(0)

 

12. まるで懸賞

またエディターレベルでリジェクトだ。そして別のジャーナルに再投稿する。

ここまで簡単にリジェクトされるとへこむ気持ちもなくなってくる。まるで懸賞に応募しているような感覚か?当たればラッキーという感じか?

レビューアに回ってないので違うジャーナルにすぐに投稿できるのはよい点だろう。というのは、レビューアに回ってからリジェクトされると、違う雑誌に出したときにまた同じレビューアに回ってしまったら同じコメントともに即座に落とされる危険性があるからだ。

ボスもトップジャーナルはあきらめてくれたよう。後々のためにはもちろんトップジャーナルがいいに越したことはないのだが、でないことには話にならない。無理なものは無理。

さあどこまでジャーナルのランクが下がるか・・・どこで引っかかってくれるか・・・。

by Hismoriya3 | 2006-04-12 13:09 | 仕事 | Trackback | Comments(0)

 

13. 論文が帰ってきた。

レビューに回っていたのは知らされていたのだが、一ヶ月と一週間くらいかかったな。で、リジェクトではなかった。

「今のままでは受け取れません。レビューアーのコメントを読んで対応し、書き直したらアクセプトするかもしれません。」というような内容だ。

ふぅ。

そして、レビューを一個ずつ読んでみる。この、レビューを読むときがいちばん気が重いんだよな。何を言われてるんだろうとびくびくしながら、落胆にしながら読まなきゃーいかん。だから論文を投稿するときは、最初に一生懸命書いてつっこみどころをなくしておかなければならないのだ。

で、今までの経験からして、3人のレビューアーがいる場合、ひとりが短くコメント、ひとりが細かくコメント、ひとりがとても好意的ってな感じになっていたりする。

今回もなぜかそのパターンだった。1人目は短く、ちょっとクリティシズムを入れながら、2人目は、わりと細かく、専門的な突っ込みをいれながら・・・で3人目、気が重いなあと思っていたらべた褒め。文章も直してくれていた。この人はもしかしたら、あの人かもしれない。

そんな流れだったので、3人目を読んで元気が出た。いけそうな感じになった。

リバイスをちゃんとやったらいけるかもという感じ。がんばりましょう。

by Hismoriya3 | 2006-05-22 10:55 | 仕事 | Trackback | Comments(0)

 

14. リバイス中間報告

論文が帰ってきてから怒濤のリバイス。

特に2番目のレビューアーは、いわゆるシステムバイオロジストのようで、なかなかコメントがおもしろい。というか、対応が難しい、と言うか勉強になる。

特に今回の論文書きはいろんな事が自分にとって新しく、大きな経験になっていると思う。自分の中の新しいブレークスルーを感じている。

まあそれは論文が通ってからまとめて書くとするか。

後一踏ん張り。

褒めすぎで身内なんじゃねえかと思われるレビューアー3のコメントを載っけて、自分を鼓舞することにする。

This paper is well written, highly novel, and extremely interesting. The conclusions drawn are fair, balanced, and justified by the data.

鳥肌が立つほどの褒め言葉じゃないか!

by Hismoriya3 | 2006-05-26 09:30 | 仕事 | Trackback | Comments(0)

 

15. 論文が受理された。

... さてそんなこんなで家に帰ってくると、夕方に家庭訪問に来た先生がそのまま息子と遊んでいた。僕もどうすりゃいいのかわからんので、2人はそのまま遊んでおいてもらってメイルをチェックすると、論文を投稿した雑誌から、「投稿に対する裁定」のタイトルのメイルが!

早い!もしかしてまたリジェクトか!?とビビリながらあけてみると、We are pleased to inform ... 来た!アクセプトじゃい!

一生懸命リバイスしたのに、結局レビューアーにはわたらずにアクセプトになった。なんだか拍子抜けではあるが。

まあよい。とりあえず生まれて初めての自分がCorresponding Authorの論文。ほとんどすべてが自分の土俵で行われた研究。レビューアーの褒め言葉。まあ通ってしまえばそれまでの苦労があまりに大きかったので感慨もあまりなかったりするのだが・・・。

一つの大きなステップがクリアーされたことは間違いあるまい。この論文は、PLoS Geneticsというジャーナルに掲載されます。PLoSのジャーナルなので誰でもインターネットで見ることができます。

by Hismoriya3 | 2006-06-02 23:14 | 仕事 | Trackback | Comments(0)

 

おまけ:この論文の経験から英語での論文執筆について今思うことです。

ブログを読んでいただければわかるように、この論文、初稿はダグというイギリス人の同僚に英語を見てもらいました。私の書いた英語が以前のボスのMarkによって完全に書き換えられてしまった経験をもっていた私は、ダグにも私の英語を大きく修正させることを受け入れてしまいました。しかしここには大きな違いがありました。Markが修正したのはMark(と私)の論文でしたが、これはダグの論文ではないし、彼はお金を取る英語校正業者でもないため、論文に書かれている内容や英語自体に、ダグは全く責任を持つ必要はなかったのです。

もちろん彼は一生懸命やってくれたでしょうが、論文を書くというのは非常に注意力のいる骨の折れる仕事です。彼に英語を直してもらって、私が確認して「変だな?」と思っても、自分の方が間違っているのかもしれず、訂正できませんでした。実際には彼が書いた彼自身の論文の中ですら、たくさんの英語のミスがあったのです。これは私たち日本人が日本語で文章を書く場合を想定すれば想像に難いことではありません。

その結果「英語がおかしい」とレビューアーに言われ、結局自分で全て書き直し英文校正に出して(わずかの訂正の後に)レビューアーに「非常に良く書けている」とほめられた事実は、ネイティブスピーカーではない日本人の私が、どのような英語論文を書けばよいのかという事に対する示唆と自信を与えてくれました。思えばこの経験の後に、自分が「これでいい」と思える英語が書けるようになったように思います。

もちろん英語の文章を書く能力を高める努力は続けなければならないでしょう。しかし、自分が責任を持つ論文の英語を他人にゆだねてはいけないのだと思います。それが、Markがやって見せたこと、つまり「自分の作品を世に出す」ということなのだと思います。

 

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2008-04-05 (土) 00:00:00