酵母コンタミ考

よく培養細胞で実験している人は酵母のコンタミを受けるという。それはそれはショックで、「にっくき酵母め!」と日々恨みを募らせるのだという。だから、「ビール(特に生)を飲んだ日、その次の日には培養細胞の実験をするな」という教えがある(らしい)。

私は、この(不当な?)酵母への虐げに対して日々憤りを覚えている酵母研究者の1人であり、「誰か培養細胞を行なっていてコンタミが起こったら教えてほしい、私がその酵母(のような生き物)の正体を確かめてやるから!」と日々思っている。(だから(ではないが)最近自ら培養細胞の実験を始めることにした)。

そう思って、ふとそういえば私は(不謹慎にも)生ビールを飲んで”酵母の”培養実験をしたことが何度もあるが、その培地に私が扱っている実験室酵母以外の酵母が生えて来たことは一度もないということに気がついた。

酵母にとって、酵母の培地はベストな状態である。ちょっとでもコンタミすればそれはそれは元気よく増えるはずである。だが、「酵母の実験をやっていたらいつのまにかビール酵母が沢山生えちゃった!」なんて、この10年以上の酵母研究キャリアの中で聞いたこともない。

それなのにクリーンベンチで扱われている培養細胞の培地にはコンタミして元気よく増える?そんなばかな!

 

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