2009-05-14 (木) 00:00:00

2つのコントロール実験

科学とそうでないものを分けるものに、対照実験がいかに大切かを書きました。対照実験は、英語ではControl experimentと訳されます(というか、Control experimentを日本語に訳したものが対照実験なのではないかと思いますが)。

このコントロール実験は、自分が出したデータが本当に自分の主張を支持しているのかどうかを浮きだたせるために、なくてはならないものです。ですから、学会発表や論文発表のデータ発表だけでなく、薬や食料品などの「効能」を科学的に主張するためには、必ずついているべきものです。

ところで、私は、科学の現場にはもう一つの「コントロール実験」が存在すべきであると考えています。それは、Quality Control (QC)experiment、つまり品質管理のための実験です。(特に若い研究者にしばしば起きることですが)自分が行っている実験が、うまく結果を出さないときがあります。その時に多少面倒くさくても、このコントロール実験をしっかりとやるべきです。

この手のコントロール実験はうまく行っても発表できるデータになりませんので、実行するのはおっくうなのですが、うまく行かない実験の問題点を浮かび上がらせるためにはとても重要です。さらに、品質管理は実際の製造現場では最も重要な考えであり、教育的にも意味があると考えます。

かく言う私も学生時代に、この手のコントロール実験を先生からやるように言われてずいぶんと「面倒くさい」と思ったものです。そのときに、それがQCと呼ばれるものであることがわかっていれば、もう少しその実験の意義づけがはっきりしていたのになぁ、と今にしては思うのです(それがこの文章を書いている理由です)。

 

研究