*周期的な細胞活動の設計原理 [#b1d8261c]
いろいろとこれまで考えをまとめてきたのだが、これらについて TysonとNovak が総説を発表した。私が議論したかった事は、殆どここに書いてある。~
#ref_paper(18971947)
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ちなみに以下はこれまでにまとめかけていたもの。
**Time Delayを使った体節形成周期のモデリング [#f23adfd4]
どうもリンクに張った、Current Biologyの3つの論文が発端のようだ。(どっかべつの文献でもTime Delayで周期がおきる話があったと、2年くらい前に読んだ記憶があるが、もしかしたらこの論文だったのかもしれない)。
問題のモデルはこの論文(Article)から。~
-&ref_paper(12932323);
それとよく似た論文(Reports)が同じ号に。~
-&ref_paper(12932324);
そして大御所のコメント(Dispatch)が。~
-&ref_paper(12932338);
「転写と、翻訳の時間遅れ」それで2時間周期ぐらいの発振がおきえると。たまたま観察されていないだけだと。
どうも私は気持ちが悪い。そもそもTime Delayなどという人工的な要素を入れていいのか(まあモデル自体人工的なものなのだが)、はたまた転写や翻訳といったNoizyなプロセスを「Time Delay」で一括化(遅れ時間を完全に固定化)していいのか?全く納得いかん。
まあそれが発振の基本としてあり、ノイズを解消するためにそれに(見つかっていない)フィードバックをつけてよりロバストな発振回路にしている可能性は、あるにはあるだろうが。
**ポジティブフィードバックがつくるロバストな振動 [#x7d2f9ff]
-&ref_paper(18599789);
生物の振動を発生させるネットワークには多くの場合に正のフィードバックが見られる。「超感受性」のFerrell氏のグループが、この意味/意義をシミュレーションを用いて理論的に解析した。結果は、ほぼ彼らの論文のタイトルの通りなのだが、ポジティブフィードバックが振動をよりロバストにするとともに周波数を調節可能にすることをきれいに示している。
いつも思うのだが、Ferrell氏は「こんなことまだ誰も調べてなかったの?」というようなことをシミュレーションを用いてわかりやすく示すのが非常にうまい。おまけにそれを実験で示したりもできる。
ちなみにこの研究が、O'sheaの以下の仕事にインスパイアされたことは想像に難くない。
-&ref_paper(17916691);
***おまけ大腸菌でロバストな振動子を構築した。 [#o7128d70]
-&ref_paper(18971928);
**超感受性 (ultrasensitivity) [#l3969c21]
といえばFerrell。
-&ref_paper(17382882);
-cooperativity
-enzyme saturation(ゼロ次超感受性)
-multisite phosphorylation
-stoichiometric inhibitors
そしてのこの論文で、
-substrate competition
を提唱している。
サイクリン依存性キナーゼのターゲット部位が細胞内には沢山存在するがそのほとんどは、あまり基質蛋白質の活性に変化を起こさないもので、それは真に必要なリン酸化を超感受性にするために、基質同士の競合を起こさせる、デコイとして働いたいるという話。今回はその基質の1つとしてwee1を取り上げて生化学実験を延々と繰り返しているのだが・・・データがいまいちすっきりしない。本当に超感受性になっているといえるのだろうか?
以下は、Ferrellの有名なTiBS超感受性レビューシリーズ。
-Ferrell, J.E., Jr. (1996). Tripping the switch fantastic: how a protein
kinase cascade can convert graded inputs into switch-like outputs.
Trends Biochem. Sci. 21, 460–466.
-Ferrell, J.E., Jr. (1997). How responses get more switch-like as you
move down a protein kinase cascade. Trends Biochem. Sci. 22,
288–289.
-Ferrell, J.E., Jr. (1998). How regulated protein translocation can produce
switch-like responses. Trends Biochem. Sci. 23, 461–465.
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[[研究]]