酵母におけるシステマティックな過剰発現解析 の変更点

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#author("2020-06-03T00:27:27+00:00","default:hisaom0419","hisaom0419")
これまでに酵母では、何度もシステマティックな過剰発現実験が行われてきました。このページではそれらを概観してみたいと思います。

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**そのまえに:「発現・過剰発現」の曖昧な定義について [#ia25485c]
その前に、言葉の定義として一つ注意しなければならないことがあります。それは「発現(expression)」という言葉です。発現とは、何がどうなる状態のことを指すのでしょうか?

「表現型の発現」といえば、遺伝情報が読み取られて、生命現象として目に見える形で現れている状態を指します。よく使われる「遺伝子発現解析」などといった場合には、ほとんどの場合、遺伝子が転写されている状態のことを指します。

それでは、「過剰発現(overexpression)」の場合にはどうでしょうか?これは表現型ではありませんね。転写が非常にたくさん行われている状況でしょうか?それでもいいかもしれませんが、恐らくイメージされるのは、タンパク質が過剰生産されている状況だと思います。

ところがこれから紹介する研究のほとんどすべては、プロモーターを変えたりコピー数を増やしたりして、転写を強く誘導しています。ですからどちらかと言うと遺伝子の過剰発現という言い方をするのが正しいです。けれどやりたいこと(期待していること)は、タンパク質の過剰発現です。

このページでは、特に断らないかぎり遺伝子とタンパク質の過剰発現を区別せず、また区別したくないので単に「過剰発現」ということにします。

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**過剰発現実験の始まり [#s0f1ca08]
-HartwellのTubulin遺伝子の論文
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**いろいろな人がやった過剰発現解析 [#x2a6d432]
-&ref_paper(9150260);
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-&ref_paper(1454852);
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-&ref_paper(8601471);
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-&ref_paper(1468625);
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-&ref_paper(7762298);
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-&ref_paper(11274415);~
cDNAライブラリーをGALプロモーター(シングルコピープラスミド)から発現。
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-&ref_paper(10454593);
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-&ref_paper(16455487);~
S. cerevisiaeのそれぞれのORFをGSTに融合したものを、GALプロモーターから過剰発現し(多コピープラスミド)、細胞増殖を阻害するものを調べた。細胞周期や細胞形態なども調べている。1番引用されている論文。
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-&ref_paper(16322557);~
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-&ref_paper(23275495 );~
S. cerevisiaeのそれぞれの遺伝子領域のコピー数をどこまで上げられるかを調べた。

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-&ref_paper(15345056 );~
S. cerevisiaeのゲノムのランダムなフラグメントをTetプロモーターの下流において過剰発現させ、増殖阻害するものを選んできた。フラグメントというところがポイントで、タンパク質全長でもなく、また本来タンパク質をコードしていない領域の過剰発現が引き起こす増殖への効果も見ている。
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-&ref_paper(18617996);~
S. cerevisiaeのすべての遺伝子をGALプロモーター(多コピープラスミド)から発現し、細胞周期に異常をきたす遺伝子を取得した。
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-&ref_paper(19596244);~
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-&ref_paper(19349972);~
バーコード化されたプラスミドライブラリー。ネイティブプロモーターとネイティブターミネーターを持っている。
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-&ref_paper(18246075);~
遺伝子断片をランダムにクローンしたライブラリーの中身の塩基配列を決定し整列化した。
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