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*日本住血吸虫GSTの謎 [#wdd46c7b]
Glutathione−S-Transferase (GST)は、蛋白質をアフィニティ精製する時にタグとしてよく用いられる。代表的なものはPharmacia(今はGE healthcareか?)から発売されている、pGEXシリーズでこれは大腸菌内で融合蛋白質を発現させる為のものである。このベクターの塩基配列自体は[[こういったサイト:http://www.jp.amershambiosciences.com/tech_support/faq/gst/pgexv.asp]]から手に入る(なぜかtxtファイルを開こうとするとSafariが落ちる)。またNCBIのデータベースから手に入れることもできる。そのアノテーションやPharmaciaの説明書をよむとこのGSTは、日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)であるとある。~
しかし、NCBIのデータベースから"Schistosoma japonicum glutathione s transferase"のキーワードで検索して出てくるもの((このNCBIのNucleotideやProteinのデータベースサーチ、なんとかならんか?異常に使い勝手が悪い))を見ると、AAC00518などのアクセッション番号を持ったGSTは、ベクターに入っているものと似てもにつかない。実は、これはSigmaタイプのGSTで、GSTにはいくつかタイプがあり、ベクターに入っているものはMuタイプ、M14654である。M14654のタイトルは、”Schistosoma japonicum Sj26 antigen (26) mRNA, complete cds.”で、アノテーションをよく見ると”putative glutathione S-transferase”と書いてある。これが実は今私たちが一般に使っているGSTなのだ。~
さらにアノテーションをよく読むと、”Laboratory and field evaluation of defined antigen vaccines against Schistosoma bovis and S. japonicum in animals and of defined antigens for the immunodiagnosis of human S. japonicum infection”と書いてある。日本住血吸虫に対するメジャーな抗原として得られたのが偶然このGSTだったと言うことで、みんなが治療目的などでいろいろ調べたという歴史的経緯から、日本住血吸虫という恐ろしくマニアックな生物のGSTが使われるようになったのだろうと予測できる。実際に使う段にこれは全く必要ない情報ではあるが、NCBIのデータベース、いろんな意味であまりにもひどい。この情報を探し出すのにどれだけ苦労したことか・・・。こういうバイオインフォマティクスにもグーグルの持つ恐ろしく優れた検索技術を何とか導入できないものだろうか?~
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