遺伝子の発現量を調べた研究 の変更点

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[[研究]]

*転写産物の量を決める要素(パラメータ) [#t75a69a6]

-合成
--恒常的な合成の速度(Ks)
--制御される合成の速度(Ksr)

-分解
--恒常的な分解の速度(Kd)
--制御される分解の速度(Kdr)

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-mRNAの分解速度を網羅的に調べた論文~
&ref_paper(15169913);

-実際にはこれくらいの要素を加味しなければならない。~
&ref_paper(15574591);
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#ref(http://genesdev.cshlp.org/content/vol18/issue23/images/medium/89259-13f1_4t.gif)
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*蛋白質の発現量 [#n4795486]
特定の蛋白質の発現量は、その合成と分解のバランスできまる。

-&ref_paper(10022859);~
この論文では、150の遺伝子についてその転写産物と蛋白質の細胞内での存在量の比較を行った。その結果、これらの間にきちんとした相関が見られなかったという。つまりmRNAがたくさんあるからといって必ずしも蛋白質がたくさんある訳ではないということである。また、コドンバイアスと蛋白質の存在量にも相関は無かった。~
これは必ずしも驚くべき事ではない。蛋白質の寿命(turn over rate)はそれぞれの蛋白質によって全く異なっているからである。たくさん合成されてすぐに分解される必要がある蛋白質もある。~
気をつけなければならない事は、転写産物が沢山あるからといって、蛋白質がたくさんでいていると言っていい訳ではないという事である。ただし、転写が盛んであるという事は細胞システムはその遺伝子の発現に対してコストを払っている訳だから、その時に蛋白質が何らかの機能を果たしているという風に考えて問題は無いだろう。


-&ref_paper(15169913);~
転写産物(mRNA)の安定性を網羅的に調べた研究。CCR4が出てくるぞ。

-&ref_paper(16916930);~
ゲノムワイドなTAP-tagコレクションを用いて、定量的なウエスタンブロッティングによって、すべての蛋白質の分解速度を測定しようと試みた研究。結局実験誤差が大きすぎてそれぞれの蛋白質の分解速度をキチンと定量することはできなかったが、ざっくりとした傾向をつかむ事には成功している。

-&ref_paper(14562106);~
ゲノムワイドなTAP-tagコレクションを構築し、それを用いて定量的なウエスタンブロッティングによって、すべての蛋白質の絶対的な存在量を定量しよう試みた研究。TAPtagを用いた事によって存在量が変化した蛋白質はあるだろうし、すべての蛋白質が定量できている訳ではないが、やはり英雄的な仕事と言えるだろう。私としてはこのウエスタンブロッティングをどれだけのテクニシャンがどのようなスキームでやったのかの方が気になる・・・。

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