Skip to content
酵母とシステムバイオロジー
酵母とシステムバイオロジー

A Blog for Yeast and Systems Biology

  • このサイトについて
  • 新着記事
  • サイトマップ
酵母とシステムバイオロジー

A Blog for Yeast and Systems Biology

2018-04-252018-04-25

「モデル」としてすばらしいリボソームの3Dモデル

このブログではこれまでもいくつか3Dプリンターで作ったタンパク質のモデルを紹介してきました。最近も講義の一環で色々と打ち出していたのですが、いよいよ辿り着いたのがリボソーム。ただ、リボソームは細胞の中でも最も大きな構造体であり、プリントするもの普通のやり方(?)ではうまくいきません。

PDBからダウンロードしたpdbファイルを開いて、Surfaceモデルを作るのにもいつも使っているUCSF Chimeraではエラーが出てしまい、有料のPyMOLを(試用期間で)使ってwrlファイルを作成しMeshLabでstlファイルにして3Dプリンターに読み込ませるものの、大きすぎてメモリエラーがでてプリントできないという事になりました。

私はいつもタンパク質のモデルを「1/2スケール」と(自分が勝手に)呼んでいるスケールで打ち出しています。PDBからダウンロードしたモデルをプリンターソフト上で0.5倍にして打ち出すのです。こうすることで、打ち出したすべてのタンパク質が同じスケールで比較できるため、実際の細胞内の状況を想像しやすくなります(あと、個人的にはこのスケールで打ち出すのが一番美しいと思っている)。というわけで、リボソームもどうしても1/2スケールで打ち出す必要がありました。

結局試行錯誤の末に行き着いたのは、1)そもそも小さな原核細胞のリボソームを打ち出す(今回は葉緑体のリボソームを打ち出しました)、2)サブユニットに分けて打ち出す、という2点でした。結果としてはサブユニットに分けたことで打ち出すことができたので、もしかしたら真核細胞のリボソームもこの方法で1/2スケールで打ち出せるのかもしれません。ただ、葉緑体リボソームを打ち出す労力が半端なかったので今現在は試す気がしませんが。

使ったのは、ほうれん草の葉緑体のリボソームの30Sと50Sサブユニットのデータです。相当大きいので1つのサブユニットでほぼ丸一日かかりました。その後のバリ取りでまた一日くらい。しかし!出来たものはこの労力に値するものでした。これはすごい、「いいモデル」です!

何がすごいかって?

文章で書いても伝わらないので動画を撮りました。動画のこのテンションでは凄さが伝わらないって話もありますが、興味がある人は見てみて下さい。このモデルの価値、伝わる人には伝わることを祈ります。

ちなみにこのモデル、夜光のマテリアルを使っていますので、周囲を暗くすると光ります。これはもうインテリアとしても最高かと。

ところで、このリボソームの写真をTwitterに上げた時に「右上にある髷のような構造の機能は何?」とM先生に尋ねられました(少し見にくいですが上の写真では右上のこぶのような構造)。元論文を読んでみましたが、これは30Sサブユニットのfootにあたる構造にあるcS22というタンパク質がくっついているストークで、葉緑体のリボソームに特異的に見られるタンパク質(が作る構造)のようです。

リボソームの50Sサブユニットの方には、L1ストークやL7/L12ストークのように、そこを動かしながらtRNAをリボソームから追い出したり、EF-Tu-tRNAをリボソームに誘い込んだりする、機能が分かっているでっぱりがあります。一方で、このcS22のストークは機能は良く分かっていないようです。葉緑体特異的な何かを結合するのかもしれません。

 

facebookShare on Facebook
TwitterTweet
(Visited 1,817 times, 6 visits this week)
3Dプリンター プレゼン資料

投稿ナビゲーション

Previous post
Next post

Related Posts

3Dプリンター

クライオEMがタンパク質3Dプリンティングに与えた衝撃

2020-06-202020-06-22

今回も、なぜか(?)あまり人気…

Read More
3Dプリンター

ブラックライトで蛍光を発する蛍光タンパク質モデルを3Dプリンターで作ってみた

2016-12-202017-08-09

以前、3Dプリンターを使ってタ…

Read More
3Dプリンター

AlphaFold2は「3Dプリンターでタンパク質を打ち出してみよう業界」にも変革をもたらした

2022-04-062022-04-07

待ち望まれた構造予測のツール …

Read More

Comment

  1. As より:
    2018-05-10 9:55 AM

    GFPタンパク質を横において写真撮ると感覚的にリボソームの大きさが分かって良いかもしれませんね

    返信

コメントを残す コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

nineteen − eight =

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。

人気の記事

  • 論文の図とレジェンドに見る悪しき伝統 (135)
  • 出芽酵母と分裂酵母の基本知識 (82)
  • ナノポアシーケンサーMinIONインプレッション (35)
  • 大腸菌の形質転換ではヒートショックも後培養もいらない(こともある) (46)
  • 制限酵素のイタリック表記は必要ない (13)
  • 微生物実験でのイエローチップの(驚くべき)使い方 (37)
  • シリーズ過剰発現・第5回「過剰発現に用いられるプロモーター」 (22)
  • 「赤色蛍光タンパク質 yEmRFP/mCherry が切れちゃう謎」が解決した (16)
  • シリーズ過剰発現・第1回「過剰発現とは?」 (25)
  • 岐路に立つ酵母の栄養要求性マーカー (16)
©2026 酵母とシステムバイオロジー | WordPress Theme by SuperbThemes