微生物実験でのイエローチップの(驚くべき)使い方

今日は実験手法についてのエントリーです。

マイクロピペッター用のイエローチップ、私の研究室では微生物実験に使っています。下の写真は大腸菌の液体培養。ピペットマンにイエローチップをつけて、チップで寒天培地上のコロニーをちょんと突き、そのままLBamp培地に落とし込みます。

イエローチップでコロニーを付き液体培養に持ち込む

大腸菌や酵母をプレートに塗り拡げる(ストリークする)ときにも使います。少し斜めにチップをもって塗り拡げてやるとうまくストリークできます。

チップで微生物を塗り拡げる。チップのお尻を上から持つのがコツ。

滅菌処理をした爪楊枝や白金耳が必要なくなるし、チップのプラスチックは微生物細胞との相性(細胞の絡みつきやすさ)も結構良いようです。

こういう使い方は、現代の分子生物学ラボでは結構やられているのかもしれません。

こういうイエローチップの使い方をしていた私ですが、少し前にカナダの研究室に行って感激した使い方があります。それは、イエローチップをスプレッダー(微生物を塗り拡げる道具)として使う方法でした。スプレッダーの作り方は超簡単。プレートの蓋にイエローチップを強く押し付けるだけ。チップが折れ曲がって、ちょうどよいスプレッダーになります。

イエローチップをシャーレの蓋に押し付ける

ギュッと押し込むとチップが折れ曲がる

スプレッダーとしてちょうどいい!

チップの先が引っかかって寒天培地を傷つけてしまうように思うのですが、曲がり具合と曲がったところの「腰」の柔軟性も相まって、驚くほどうまくぬれます。学生実習でも試してみましたが、寒天培地の扱いになれていない学部生もだれも寒天を引っ掻いて壊してしまうことはありませんでした。

一般的には、この作業はガラスのスプレッダーでおこなうことが多いです。滅菌のためにスプレッダーにアルコールをつけて炎であぶり再利用するします。うっかりするとアルコールに火が燃え移ることがあり潜在的には危険な作業です。チップを使えば炎を使う必要がなくなるので、安全面でもメリットがある方法といえるでしょう。

イエローチップがあれば、微生物実験で古典的に使われてきた3つの道具は必要なくなるかもしれません。チップは使い捨てだからその分のコストは掛かりますけどね。

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