うしぃ岡山へようこそ(前編)

開催まであと26日。

岡山って、なにもないじゃん。」 岡山で研究報告会の開催が決まったときに、広島大学の船戸耕一先生に言われた言葉です。だから、岡山の研究報告会は楽しみじゃないと。そんなことを言うから広島県は周辺県から苦手な都道府県と言われてしまうのですよ!

・・・でも、実際そういうところはあります。中四国でなければその存在すら意識しないだろうし、中四国から見れば何の面白みもない県。それは岡山県出身の私が一番よく知っています。だいたい、「学会」なんだから岡山自体がつまらないところでもいいんです。

それでも、学生の時に県外に出て、いろいろなところに住んでから岡山に帰ってきて十数年暮らしてみると、意外に良いところがあることも分かってきました。このエントリーでは、(ないと思われている)岡山の特徴を皆さんに紹介してみたいと思っています。あくまで私の独断と偏見です。まずは土地柄と、県民性、そしてお笑いの話から。

災害の少ない土地柄、交通の要所、大都会。

岡山は瀬戸内海に位置し、特に災害の少ない地域だと言われています。地震の震源地となることは極めてまれで、中国山地と四国山地に挟まれているため夏も冬も激しい雨が降ることもあまりありません。そのため、晴れの国おかやまを自称しています。その一方で、中国山地に降った雨や雪が岡山三大河川(高梁川、旭川、吉井川)に流れ込むので水不足にもなりにくいです。

そういった「災害のなさ」は良い面ではありますが、そのせいであまり助け合わない、他人への関心が希薄な県民性がうまれたと私は思っています。

昨年のフォーラムで今年の研究報告会を紹介したときにも言いましたが、岡山駅は新幹線のぞみがすべて停車します。その理由は、岡山駅が山陰と四国を結ぶ交通の要所だからです。なので、寝台列車も止まるんですねー(皆さん予約されましたか?)。2026年の駅の利用客ランキングでは151位で、地方都市としては多い方でしょう。ちなみにこのランキングでは、「大学の数が多い駅、1位」となってます。駅直結の巨大イオンモールもあります。そういうことで、岡山は「大都会」なんです。

岡山の方言は「うしぃ(薄い)」

もんげー岡山!」 10年ほど前大ブームとなった、「妖怪ウォッチ」で登場する妖怪コマさんが発する方言「もんげー(すごい)」が注目されたことから、岡山がキャッチフレーズとして使った言葉です。ブームにすがろうとする浅ましさ、いかにも「なにもない岡山」らしいです。

岡山で「すごい」を表す特徴的な方言はいくつかあります。「もんげー」、「ぼっけえ」、「でえれえ」です。私も子どもの頃は、「でえれえ」をよく使っていました。「ぼっけえ」もたまに聞きます。岡山を代表するラーメン、ぼっけゑラーメンにもその名が使われています。このラーメンはほんとうに「ぼっけえ」ので、ラーメン好きの方はぜひ試してみてください。ときどき叫ぶ店長にも注目です。なお私は、「もんげー」を使ったことはありませんし、あまり使っているのを聞いたことはないです。

岡山出身でテレビ界のキングとなった千鳥は岡山弁を使うことがあります。語尾に「じゃ」をつけるのが特徴、アクセントは関東系、つまり関西弁の派生ではない。語尾に「じゃ」をつけるのは広島弁が有名ですが、そこまで強くない。

関西圏と広島に挟まれて、両者が中途半端に薄まった主張の弱い言語だと私は考えています。皆さんも岡山に来られて、岡山弁をあまり意識することはないかもしれません。岡山弁で特徴的な言い回しは、「しょーりょーが」とか「はよーしねー」、「こけーけー」なんかだと思います。このような岡山弁を話す岡山県人に出会えたらラッキーです。なお、「もんげー岡山」でググったらこんなの出てきました。岡山弁満載です。

うしぃからこそ成功した?岡山出身のお笑い芸人

千鳥やウエストランド(M-1グランプリ2022王者)のように、岡山出身のお笑い芸人が最近目立つようになりました。ロングコートダディ(キングオブコント2025王者)の兎さん、蛙亭の中野さん、ブルゾンちえみさんも岡山出身です。

この原因として、時代の流れとして「岡山の中性度」がウケ始めているのではないかという仮説を提唱したいです。

関西は「笑われる」笑い。笑いは、しゃべくり漫才に代表されるように、やりとりによって生じるもので、何か面白そうなことを言う場合には、相手の返しも含めて成立させます。「言いっぱなし」はないし、こちらが何かやったのに返してこなければ、「返して来いよ!」となる。そのやりとりによって、「笑われる」ことがうれしい。

関東は、「笑う」笑い。自分きっかけで何か変なことを言いだして笑われようなんてことは思わない。おかしなことを言っていたりやっていたりする対象を、笑う。自分が笑いの対象になるのはいや。

では、岡山県民は? 岡山県民は面白いことを一応言います。関西の影響を薄ーく受けているからかもしれません。でも、返しは期待していないし、「笑われたい」とも思っていない。なんなら、「笑わせたい」と思ってすらいない節があります。変なタイミングで、うすーく面白いことを発信して、場を和ませようとします。

関西の笑いは、受け狙いで盛大にボケてくるし、それに対して突っ込まないと成立しないから、うざい。関東の笑いは、笑う対象を傷つける。コンプライアンスが厳しい世の中で、この両者をバランス良く笑いに変える。この安全・安心な笑いをうまくつくれたのが、「うしぃ岡山」なのではないでしょうか?

次回、うしぃ岡山へようこそ(後編)では岡山のグルメ・ラーメン・観光、そして唯一「うしぃ」とは言えないフルーツの話をします。

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