(現在最強の)タンパク質局在データベース

出芽酵母(S.cerevisiae)のタンパク質の局在解析については、USCF(当時)のErin O’Sheaらの金字塔的研究が有名です(文献1)。出芽酵母のほぼすべてのタンパク質をGFP融合タンパク質として発現し、それらの局在を顕微鏡観察した(それと同時に発現量も測った)というものです。このデータは、YeastGFPというデータベースで公開されています。

この研究は、局在化と発現量をより詳細に定義・定量したトロント大学のBrenda Andrewsのグループの研究に引き継がれ、その解析結果はCYCLoPsというデータベースで公開されています(文献2)。上記の研究は、基本的にはC末端にGFPを付加した同じライブラリーを用いて行われた研究です。

最近、ハイデルベルク大学のMichael Knopやワイツマン研究所のMaya Schuldinerらが開発したSWAp-Tag strategy(文献3)によって、N末端とC末端にそれぞれ蛍光タンパク質が付加されたライブラリー(SWATライブラリー)が構築され、これを用いた局在観察の結果がデータベースとして公開されました。

このYeast RGBデータベースは、細胞内のタンパク質の局在がとても見やすく、現時点では最強の出芽酵母タンパク質局在データベースだろうと思います。上記のオリジナルC末端GFP融合タンパク質に加え、SWATライブラリーのN末端・C末端の融合タンパク質の局在も大きな細胞画像とともに示されていて、さらに局在マーカーとの重ね合わせ画像もあります。

ちなみに、予想されることではありますが、N末端とC末端に蛍光タグを結合した場合に局在が異なって見える例も多数観察されています。これは特にN末端やC末端にタンパク質の局在化シグナルがあるような輸送されるタンパク質では顕著のようです(文献4)。

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文献

  1. Global analysis of protein localization in budding yeast. Huh WK, Falvo JV, Gerke LC, Carroll AS, Howson RW, Weissman JS, O’Shea EK. Nature. 2003 Oct 16;425(6959):686-91. PMID:14562095
  2. CYCLoPs: A Comprehensive Database Constructed from Automated Analysis of Protein Abundance and Subcellular Localization Patterns in Saccharomyces cerevisiae. Koh JL, Chong YT, Friesen H, Moses A, Boone C, Andrews BJ, Moffat J. G3 (Bethesda). 2015 Apr 15;5(6):1223-32. doi: 10.1534/g3.115.017830. PMID:26048563
  3. One library to make them all: streamlining the creation of yeast libraries via a SWAp-Tag strategy. Yofe I, Weill U, Meurer M, Chuartzman S, Zalckvar E, Goldman O, Ben-Dor S, Schütze C, Wiedemann N, Knop M, Khmelinskii A, Schuldiner M. Nat Methods. 2016 Apr;13(4):371-378. doi: 10.1038/nmeth.3795. Epub 2016 Feb 29. PMID:26928762
  4. Systematic assessment of GFP tag position on protein localization and growth fitness in yeast Dan Davidi, Uri Weill, Gat Krieger, Zohar Avihou, Ron Milo, Maya Schuldiner, doi: https://doi.org/10.1101/360636

 

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