Skip to content
酵母とシステムバイオロジー
酵母とシステムバイオロジー

A Blog for Yeast and Systems Biology

  • このサイトについて
  • 新着記事
  • サイトマップ
酵母とシステムバイオロジー

A Blog for Yeast and Systems Biology

2010-04-08

酵母研究のゴールデンエイジ

私がセントルイスに留学したのは、今から10年ほど前になる。このとき、私の留学先のボスであるMark Johnstonは、酵母の学会で賞をとった。その受賞講演で彼は、「酵母のゲノムが決まり、すべての「遺伝子」が同定され、様々なゲノミクスの手法によってすべての遺伝子の機能が分かったとき、酵母研究はゴールデンエイジに入る」と語った。

既存の分子遺伝学の枠組みにとらえられており、酵母研究の将来に希望を抱いていなかった私と同僚のポスドクは、この言葉を「政治的な発言」ととらえていた。

最近になって、この言葉をふと思い出し、彼が当時書いた、この講演と同じような内容のレビューを読んでみた。そして、彼が10年前に予言した酵母研究のゴールデンエイジが、「システムバイオロジー」という分野とともに、今まさに訪れようとしていることを感じた。

Mark Johonstonは、システムバイオロジーをやっているとは言わないし、そのような言葉は使わない。しかし、彼が述べている、すべての遺伝子の機能とその相互作用が分かったとき始めて、(システムとして働く)細胞の理解が分子レベルから一貫して可能になる、という考え方は、まさにシステムバイオロジーそのものである。

彼の言っていたゴールデンエイジを私に理解させたのは、「システムバイオロジー」という言葉を使ったパラダイムシフトだったのかもしれない。

facebookShare on Facebook
TwitterTweet
(Visited 175 times, 1 visits this week)
酵母

投稿ナビゲーション

Previous post
Next post

Related Posts

テクノロジー

酵母のSTAP現象、ではなく自家蛍光を観察する。

2014-06-232017-08-09

ちまたで騒がれているSTAP現…

Read More
システムバイオロジー

CellDesigner4.3でCell Cycleモデルを再構築してみよう(3)

2014-03-252018-07-25

前回「CellDesigner…

Read More
システムバイオロジー

ディープラーニングによる細胞の階層的構造や機能のモデル化

2018-03-152018-03-15

Using deep lear…

Read More

コメントを残す コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

three − one =

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。

人気の記事

  • 出芽酵母と分裂酵母の基本知識 (128)
  • 論文の図とレジェンドに見る悪しき伝統 (87)
  • 大腸菌の形質転換ではヒートショックも後培養もいらない(こともある) (49)
  • ナノポアシーケンサーMinIONインプレッション (69)
  • シリーズ過剰発現・第5回「過剰発現に用いられるプロモーター」 (84)
  • きっとうまく行くプレゼンスライドの作り方 (56)
  • シリーズ過剰発現・第1回「過剰発現とは?」 (17)
  • 岐路に立つ酵母の栄養要求性マーカー (30)
  • “KOD”ポリメラーゼに対する認識の世代間格差? (24)
  • 出芽酵母の発現ベクターに使えるプロモーターの特性評価 (19)
©2025 酵母とシステムバイオロジー | WordPress Theme by SuperbThemes