ロバストネスとは何か

書き物をしていて「ロバストネス」をちゃんと説明する必要があると感じたのですがスペースがなかったので、とりあえずブログにアップします。今後このボリュームをふくらませていくつもりです。ロバストネスについては守屋の個人的ページでも解説してあるのですが、少し古くなってきたのでもう少ししっかりと書いていきたいと思っています。

ロバストネスとは、様々な擾乱に抗って機能を維持しようとするシステムの特性のことを言う。ロバストネスは因子の複雑な相互作用の結果生じる特性、すなわちシステムレベルの特性である。高いロバストネスを実現することは、生命システムの構成原理の一つであると考えられている。ロバストネスは因子の複雑な相互作用の結果生じる特性、すなわちシステムレベルの特性である。近年、生命を構成する因子とその相互作用の詳細が明らかになるにつれ、生命現象をシステムレベルで解析することが可能になり、生命システムにおいて高いロバストネスを実現するメカニズムの理解が進み始めた。

 ロバストネスを調べる一般的な方法は、システム内のパラメータを変化させ、それがシステム全体の機能にどのような影響を与えるかという「ロバストネス解析(感度解析ともいう)」である。これをシステム内のあらゆるパラメータについて行うと、そのシステムのロバストネスの全体像が浮かび上がる。例えば、あるパラメータを多少変動させてもシステム全体の機能が破綻しない場合、システムはそのパラメータの変動に対してロバストネスが高く、あるパラメータをわずかに変動させた場合にシステム全体の機能が破綻する場合には、システムはそのパラメータの変動に対してロバストネスが低いと言える。なお、「ロバストネスが低い」ことは「脆弱である」ともいわれる。

 あるシステムのロバストネスの全体像が浮かび上がった際に、そのシステムのロバストネスが高い・低いかどうかは、他のシステムとの比較に頼るしかない。通常人工システムでは、システムが破綻しにくくなるように設計を改良していくはずなので、改良前のシステムと改良後のシステムを比較することで、ロバストネスが向上したか否かを議論することができる。

 生命システム場合は、改良前・改良後というものは存在しない。生命システムのロバストネスの比較は主に2つの方法によってなされる。一つは、数理モデルによる再構成過程での比較、もう一つは変異体を用いた比較である。

 生命現象の数理モデルの構築においては、因子の少ない数理モデルをまず構築し、さらに既存の因子・制御を盛り込んだより複雑な数理モデルへと改良していくことが一般的な道筋となっている。この改良の過程で数理モデルがパラメータ変動に対してよりロバストになっていった場合、生命システムはロバストネスが高くなるように設計されていると考えることができる。

 変異体を用いた比較の場合には、生命システムのパラメータ範囲を、野生型と変異型で調べることで明らかになる。この比較解析は、完成した数理モデルを用いて行うことも可能である。

 

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