2016-03-262017-08-09 改変型GFPはウエスタンでの検出でも優れている? よくわからない実験結果がでたのでここにアップします。 これまでずっとyEGFPという酵母のコドンに最適化したEGFP(enhanced GFP)を使ってきたのですが、最近さらにフォールディングが早いGFPを使い始めました(このエントリーでは”modified GFP”とします)。 私の研究室ではGFPをRocheの抗体(11814460001)を使ってウエスタンブロッティングで検出しています。ちなみにこの抗体は知り合いの研究者の方に教えていただいたのですが、二種類のモノクローナル抗体を混ぜたもので、少々お高いですが検出感度と特異性も高いのでかなり「使える」抗体だと思っています。なお、これらのモノクローナル抗体のエピトープがどこなのかは見つけられませんでした。 modified GFPには複数のアミノ酸の置換があるので、エピトープに変異が入っていて抗体で検出できない可能性もあります。そこで、modified GFPをがちゃんとこの抗体で検出されるのかを確かめるために、この抗体でウエスタンブロッティングをしてyEGFPとの検出度合いを比較しました。 すると予想外に、yEGFPの方はなんかボワッとしたバンドで、modified GFPの方はシャープなバンドとして検出されました(下図)。 Rocheの抗体によるyEGFPとmodified GFPの検出:バンドの濃さに違いがあります。 なんでこんな違いが出たのでしょうか? 1)modified GFPに入っているアミノ酸置換によってモノクローナル抗体に対する親和性が上がった、2)SDS-PAGEで電気泳動しているとはいえGFPが何らかの構造をとっていてmodified GFPの方が抗体がエピトープにアクセスしやすい、などということが考えられるのかなと思います。その他何かおわかりになる方がいらしたらコメントを頂ければ嬉しいです。 まあ、使う側としてはmodified GFPの方がより良く検出されているしバンドがシャープなので、「今後の実験は全部modified GFPを使うぜ!」でいいのかもしれません。 ですが、特にウエスタンブロッティングでGFPを定量したいと思った時には、GFPの種類によってこういう違いが出るということを注意しないといけませんね。 Share on FacebookTweet(Visited 1,465 times, 3 visits this week) テクノロジー 実験結果 覚え書き