久しぶりの3Dプリンターシリーズ(?)です。
今回はずばりDNA!!
講義での話ですが、DNAの持つ特徴、ポリヌクレオチドであることや二重らせんのヒモであることを説明するときに模型があるととても便利です。
ヒモとしての性質はビニールチューブを用いて説明できなくはないですが、ヒモがどういう分子構造でできているのかや、二重らせんの溝の構造などを説明するには不十分です。
そこで3Dプリンターの出番となるわけですが、蛋白質のモデルのようにPDBから得られるモデルだとぐりぐりよじれた硬い模型しか作れないので、なかなか「DNA感」がないという問題がありました。
それで今回少しウェブをサーチして、ついに “ちょうどいい感じ”のDNAモデル(のモデルファイル)を見つけました。

このモデルの詳細はこのページを見て頂いたら良いと思います。モデルのファイルはmkuiper氏が作成されたものをダウンロードして使っています。
このモデルの良いところはいくつかありますが、まずはちょうど良いパーツから構成されているところ。


モデルのパーツはリン酸ー糖の骨格と4種類の塩基です(RNAの塩基や修飾塩基のモデルファイルもあります)。細かい部分までは作らず骨格と塩基対でDNAを組み上げていくことができます。水素結合の数もA-Tは2本、G-Cは3本となっているので一目でどの塩基かを認識できます。
良い点の2つ目はDNAの詳細な構造を再現していること。パーツをくみ上げていくと右巻きのB型の構造ができてきて、塩基対から糖に向かう結合に角度があるために主溝と副溝をができてくるとか、教科書に書いてあるようなことが自身の手で再現できます。
そして3つ目の良い点、これがこのモデルの一番のよい点だと思いますが、モデルがパーツからできているので連結部分が回転でき、結果として完成した構造が柔軟性を持つようになるのです。


巻きを強くしてみたり弱くしてみたり、曲げてみたりもできます。ポリマーかつヒモな感じを味わうことができます。
長いモデルを作っていくと結合が切れやすくなります。多分長いDNAも切れやすいんだろう。ただ、塩基対どうしのスタッキング相互作用はこのモデルでは再現できていないので、実際のDNAはもっと安定した構造なのだろう。・・・なんてことに思いをはせることもできます。
ちなみにここで紹介したモデルでは、特定の塩基だけアクリル絵の具で色をつけています。さてその配列とは何の配列でしょうか? 正解者にはこのDNAモデルのパーツを1つプレゼントします。
ちなみにこのDNAモデルも夜光フィラメントで作られているので暗所で光ります。

今後は塩基ごとに違う色のフィラメントでプリントし、実際に何かをコードしているDNAを作ってみたいと思ったりもしています。一日30塩基打ち出せるとして、GFPの遺伝子(約700bp)は一ヶ月あればできますね。・・・そして最後は世界一長いDNAモデルを作ってギネスに挑戦、なんていうのも面白いかもしれません(やりませんけど)。
HindIIIかな?
いつも興味深く記事を読まさせていただいています。
特定の配列ですが、制限酵素サイトのHindIIIあるいはBamHI、KpnIあたりかと想定しています。
あえていうならなんとなくBamHIでしょうか。
光るパーツほしいです。
これ、上から写真を辿っていくと答えが分かるようになっています。正解はHindIIIです。せっかくお答え頂いたので、YさんにはGFPのモデルをお送りします(お送りしました)。ncnrktgw氏にはすでに何かあげてましたっけ? 欲しいものがあったら言ってください。