ジンクピリチオンの分子生物学的な効果

いよいよ今週水曜日に、「ジンクピリチオン祭り in 分子生物学会」がひらかれます。私は進行をまかされていて、Twitterでもジンクピリチオンワード募集を行なっています。

「ジンクピリチオン」という言葉でTweetを集めていると、時折、「ジンクピリチオンという分子のもつ抗菌作用のすばらしさが置き去りにされて、言葉遊びの対象にされている事に違和感を覚える」というTweetがあります。

私も子供の頃のメリットシャンプーのCMで「フケかゆみに効くジンクピリチオン配合」という言葉はおぼえており、その作用についてはぼんやりとしか理解していませんでした。

ジンクピリチオンの抗菌作用について知るに至って、「抗菌作用と頭皮のフケ・かゆみにいったいどんな関係があるんだ?」という至って当然の「謎」が浮かんできたのです。

で、ちょっとGoogleってみたら、すぐにこういうページに行き当たりました。フケの原因って、頭皮のカビの繁殖によるものだったんですね。

このカビは、Malassezia globosaという酵母型のカビの一種のようです。

さて、ジンクピリチオンの抗菌効果のメカニズムについては最近まであまりよくわかっていなかったのだそうで、近年、我が(?)S. cerevisiaeを用いてその作用機構が調べられています。

ゲノムワイドなマイクロアレイ解析(1)とか、ノックアウトコレクションを使った研究(2)が行なわれていて、鉄の代謝異常を引き起こすことが抗菌作用になっているという証拠が得られているようです。

というわけで、「ジンクピリチオン効果」の企画をやっているうちに、「ジンクピリチオンの効果」にたどり着いた、というエントリーでした。

余談ですが、私にとって驚きというか、すごい偶然というか、1の論文を書かれた先生は、ついこないだ共同で科研費の申請書を書いた方でした。今度お会いしたらジンクピリチオンの効果についていろいろ尋ねてみたいと思います。

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参考文献

1. DNA microarray analysis suggests that zinc pyrithione causes iron starvation to the yeast Saccharomyces cerevisiae. Yasokawa D, Murata S, Iwahashi Y, Kitagawa E, Kishi K, Okumura Y, Iwahashi H. J Biosci Bioeng. 2010 May;109(5):479-86. Epub 2009 Nov 22.

2. The antifungal mechanism of action of zinc pyrithione. Reeder NL, Xu J, Youngquist RS, Schwartz JR, Rust RC, Saunders CW. Br J Dermatol. 2011 Oct;165 Suppl 2:9-12. doi: 10.1111/j.1365-2133.2011.10571.x.

 

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