タンパク質のダイナミクスを測る、蛍光蛋白質タイマー

Tandem fluorescent protein timers for in vivo analysis of protein dynamics.

Khmelinskii A, Keller PJ, Bartosik A, Meurer M, Barry JD, Mardin BR, Kaufmann A, Trautmann S, Wachsmuth M, Pereira G, Huber W, Schiebel E, Knop M.Nat Biotechnol. 2012 Jun 24. doi: 10.1038/nbt.2281. PMID:22729030

昨年夏にポーランドでひらかれた酵母の国際学会で聞いて感心した仕事が発表されていました。

sfGFPというフォールディングが数分以内に終って緑色蛍光を発するタンパク質と、mCherryというフォールディングが数十分かかって赤色蛍光を発するタンパク質を融合させると、緑と赤の蛍光の比をとることで、「そのタンパク質が合成されてからどれくらいたっているか」を知ることができます。また、もしそのタンパク質のターンオーバーが非常に早い場合には、緑色の蛍光しか観察できません。

このタイマータンパク質と標的のタンパク質を融合させることで、局在化しているタンパク質の年齢(?)やターンオーバーの速度を測ることができるという訳です。

この論文では、実際にこのタイマーを使って、スピンドル極体(SPB)やトランスポーター、核膜孔複合体などの新しい分子と古い分子が、娘細胞と母細胞に不均等に分配される様子をとらえています。

さらに、N-end ruleというN末端のアミノ酸が決めるタンパク質の半減期を見事に観察していて、さらにはゲノムワイドな破壊株コレクションを使ったスクリーニングで、どの遺伝子がそれぞれのN-endアミノ酸を認識しているのかを明らかにしています。

この話をはじめて聞いたときに、「蛍光タンパク質の折り畳み速度の違いを利用してタイマーを作る」という発想にとても感心したのをおぼえています。何かに使えないかと、このタイマー遺伝子を分与してもらえないかと著者に尋ねたら、こんな良い「道具」をあっさりと送ってくださるとのことでした。

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