統合的なコンピュータモデル、ロバストネスと脆弱性

別件で用語解説を書いたのでこのブログに載せておく。

統合的なコンピュータモデル:細胞が持つ特定のシステム(例えば細胞周期制御システム)で働く分子とその相互作用を詳細に記述することで作られるコンピュータ(数理)モデル。究極的には、細胞内で起きているすべての事象を予測できるような、「細胞シミュレータ」に発展していくと期待されている。一方で、細胞内にはあまりにも未知な要素が多いために、統合的なモデルは「人の考えていることを再現する」以上のことはできず、(気象シミュレーターのように)細胞の未知の挙動を予測する能力を持たせることは難しいという考え方もある。

ロバストネスと脆弱性: ロバストネスとは、システムが内乱や外乱にあらがって機能を維持する特性のことをいう。私たちの研究では、細胞(というシステム)が、細胞内で働く遺伝子の過剰発現に対してどの程度機能を維持できるかを、細胞のロバストネスの評価の指標としている。例えば、ある遺伝子が100倍過剰に発現しても細胞が死なない場合、細胞はその遺伝子の過剰発現に対してロバストネスが高い(あるいはロバストである)という。一方、ある遺伝子が数倍過剰に発現しただけで細胞が死ぬ場合、細胞のシステムはその遺伝子の過剰発現に対してロバストネスが低い(あるいは、脆弱である)という。

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