バーコード化された過剰発現系を使った酵母の遺伝子機能解析

Functional analysis with a barcoder yeast gene overexpression system. Douglas AC, Smith AM, Sharifpoor S, Yan Z, Durbic T, Heisler LE, Lee AY, Ryan O, Göttert H, Surendra A, van Dyk D, Giaever G, Boone C, Nislow C, Andrews BJ. G3 (Bethesda). 2012 Oct;2(10):1279-89. doi: 10.1534/g3.112.003400. Epub 2012 Oct 1.

今年の1月(オンライン上では12月)に、私たちは「酵母のすべての遺伝子の過剰発現の限界(コピー数限界)を測った論文」を発表しました。

私たちの論文の特徴は、遺伝子の過剰発現を「プロモーター置換」で行うのではなくて、ネイティブなプロモーターをもつ遺伝子の「コピー数を上げる」ことで行うことです。これが今までの「過剰発現実験」とは全く違うところなのです。

酵母ではこれまでいろんな人達が、ほぼ一様に「GAL1プロモーター」で過剰発現させる実験を行って来ました。これがとっても使い勝手がいいからなんです。培地をグルコースからガラクトースに変換するだけでON/OFFをはっきりさせて過剰発現できるからなんです。

いずれにせよ私たちは論文を発表するときに、過去の過剰発現の論文を全部見たのですが、この論文を見落としていました(今日気づきました)。それはこの論文が出版されたのが、ちょうど私たちの論文がリバイスされている時だったからでしょう。

で、この論文の新しいところは「バーコード」を使っているというところです。また(性懲りもなく)GAL1プロモーターを使っているのですが、それぞれの遺伝子が過剰発現されるプラスミド(単コピー)をバーコードをゲノムにもつ細胞に形質転換してやることで、それぞれの遺伝子の過剰発現する株をバーコードで識別できるようにしました(プラスミドセットと株の一部はそれぞれすでに論文発表されていたようです)。

こうすると何がうれしいのか?

「競合実験」ができるようになります。一度にそれぞれの遺伝子が過剰発現する株をひとまとめにしていっぺんにスクリーニングができるようになります。

早い・簡単。

以前はプラスミドのそれぞれにバーコードが入っていたはずで、そのほうが使い勝手が良い気がするんだけど、なんでこうなったんでしょうか?論文を精読して見ることにします。

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