酵母のダイオキシックシフトのマルチオミックス解析

Temporal system-level organization of the switch from glycolytic to gluconeogenic operation in yeast. Zampar GG, Kümmel A, Ewald J, Jol S, Niebel B, Picotti P, Aebersold R, Sauer U, Zamboni N, Heinemann M. Mol Syst Biol. 2013 Apr 2;9:651. doi: 10.1038/msb.2013.11.

タイトルがうまく日本語にならなかったので意訳しました。

出芽酵母(S. cerevisiae)はグルコースが培地にあると発酵によりエタノールを産生し、グルコースがなくなると今度はエタノールを利用して酸素呼吸や糖新生を行います。

グルコースがなくなった時のこの増殖フェーズの転換を「ダイオキシックシフト(Diauxicshift)」と読んでいます。

この代謝の変換は遺伝子発現の大きな変化を伴います。マイクロアレイをその開発初期にいち早く用いてこのダイナミックな転写の変化を捉えた仕事が有名ですが、今回は時系列での代謝産物の解析(メタボローム)と酵素量の変化(プロテオーム)の解析も行い、数理モデルを用いてそれぞれの代謝経路の流束を統合的に捉えた、ということのようです。

ダイオキシックシフトが、転写レベル・タンパク質レベル・代謝産物レベルで統合された視点で捉えられるようになり、さらにダイオキシックシフト前後の変化が代謝経路の3つの変化が見られるということのようです。ダイオキシックシフトが高解像度で理解できるようになってきたということでしょう。

10年以上前にこの過程を調べていた身としては感慨深いものがあります。この経路がまだ調べられ続けているというのも嬉しい話です。

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