「Systems Biology」の定義

近藤滋先生の「生命科学の明日はどっちだ」でも揶揄されています、システムバイオロジーですが、日本でやたらとこの言葉にアレルギーを持っている研究者がいるのに対して、世界では普通に使われています。

先日、「酵母コロキアム」で紹介された論文、酵母の遺伝子破壊株コレクションの10%程度はその解釈が間違っている(破壊された遺伝子の隣りの遺伝子の影響である)という論文が、Natureにでました。この論文自体も衝撃的な内容ではあるのですが、私はそれよりも、この論文のアブストラクトの最後の文章が気になり(気に入り)ました。

These results have important consequences for systems biology, as the mutation collections are extensively used in almost every aspect of the field, from genetic network analysis to functional gene annotation.

これらの結果は、「システムバイオロジー」に深刻な影響を与えるというのです。なぜならこの分野では、いろいろとノックアウトコレクションが使われているからだと。

わざわざ「システムバイオロジーとは何か」を断らなくても、だいたいどんなことやってるか/言ってるか想像がつくでしょ、という訳です。「Natureのアブストラクトに乗っているからといってそれが世界に認められた訳ではない」という人もいるでしょうが。

確かにこの分野の論文を読んでいると、「xxxは、Systems Biologyのゴールの1つである」等と書かれたイントロダクションがあり、「Systems Biologのゴールって誰が決めたのかな」と思うこともあるのですが、それが許されるようになってきたということなのでしょう。

かといって、では、「Molecular Biologyのゴールである」なんて言う文章がある論文を(昔は知りませんが)今、目にすることはない訳ですから、新興の学問分野であるという認識もあってのこの記述ということになると思います。

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追記:Natureかと思ったらNature Methodsでした。発表されるJournalによって論文の内容が変わる訳ではないですが、だいぶインパクトは違いますね。

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1 Comment

  1. 谷内江望

    谷内江@トロントです。

    Systems Biologyは「生命をシステムとして理解する」という本来の?意味に、Systematic Biology(システマティックに生物学する)という大規模で合理性を持った生物学が多く混同されているように思います。

    ここでいうSystems BiologyはSystematic Biologyの方だと思います。

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