2013-06-192013-06-21 CellDesigner4.3で描いたダイアグラムのファイルが開かなくなる現象への対応 とある講義で、以下のダイアグラムをCellDesigner4.3で描いてファイルを保存してメールで送ってもらうという課題をだしました。 出張講義だった都合もあり、CellDesigner4.3の使い方はほぼ解説しない上での課題で、少し無理があるかなぁとは思いながら出して見ました。 皆さん上手いことインストールもされて、ほぼ完璧にできていた人もいました。 一方で課題を提出してくれた(しようとしてくれた)人の半数が、「エラーが出てうまく保存できなかった」という回答でした。添付されてきたファイルは確かにエラーが出て開きません。 エラーメッセージは java.lang.Exception: [jp.sbi.celldesigner.sbmlExtension.ModelAnnotation@3275cd.buildSpeciesProperty()]: SpeciesAnnotation is null for Species (id=s44) この場合には「s44のidをもつSpeciesAnnotationがカラだ」と言っているわけですが、よくわかりません。そもそもファイルが開けないのでs44が何かもわからない。 それで他の生徒さんが作った開くことに成功したダイアグラムを見てみると、本来とはちょっと違う使い方をしていることに気がつきました。 解説をしていないのだから当然なのですが、タンパク質のリン酸化(P)やユビキチン化(Ub)、複合体などで、一見名前がついていないように見えるものがあります。例えば、タンパク質にくっついた「 ◯ 」は中身がカラのものもあります。 これは本当は、Proteinのresidueに当たるもの(下図の左)なのですが、これを再現しようとして「スペース」を名前にした Ion を無理やりタンパク質にくっつけている場合が見られるのです(下図の右)。 こういう、名前にスペースをつけた Species を作ってしまうと、ファイルを保存することはできるのですが再び開こうとした時にエラーが出てしまいます。複合体を作る場合も同様、名前をスペースにしてしまうとエラーが出ます。 ちなみに「名前を付けない」という選択をしようとするとその場でエラーが出るので、それを避けるためにスペースを名前にしたのでしょう。 エラーはxmlファイル中の「 <celldesigner:name/> 」というタグが「宙ぶらりん」になってしまうことで起きるようです。その部分を見つけ出して、 <celldesigner:name>name_A</celldesigner:name> などとしてやれば開くようになります。ちなみに課題のファイルを全部訂正しました・・・疲れた。 もちろんCellDesigner4.3の使い方をちゃんと解説せずに、「図を真似て描く」という課題を出したからこそ起きえたエラーではあると思いますが、あまりにも頻発したので今後の参考になるだろうと思いかいてみました。想定外の操作によるものとはいえ、xmlファイルの中身の整合性が取れなくなるのはやはり改善すべき問題ではあると思います。 それにしても、このような解説をしないでも自分でresidueのつけ方をちゃんと見つけてつけてきて使いこなしている学生さんもいました。お見事です。 ちなみに参考図は古いバージョンのCellDesignerで描いたものなので、Transportの矢印が現在のバージョンと違います。「 Transport 」を表す白抜きの矢印が、今は一本線の入った矢印となっています。 課題のダイアグラムのxmlファイルはこちらです。ファイルを一旦保存してからCellDesignerで開いてください。 追記:もう一つ「モデルファイルのキャンバスの大きさを変える方法がわからない」という方がいました。これは、上記のツールバーの Component > Model Information… で変更できます。 (Visited 399 times, 1 visits this week) ソフトウェア テクノロジー 覚え書き