2014-03-252018-07-25 CellDesigner4.3でCell Cycleモデルを再構築してみよう(3) 前回「CellDesigner4.3でCell Cycleモデルを再構築してみよう(2)」の続きです。 ダイアグラムが完成しましたのでパラメーターや数式をいれてモデルを完成させます。 数理モデルの構築(1/2):パラメータや代数ルールなどを入力 前回作った図に数式を入れていきます。ここではちょっとずるをして、(1)で出てきたデータベースのモデルを参考にして入れていきたいと思います。 と言うのは、論文に書かれているような微分方程式を実直にいれるよりも、Functionを定義したほうが入力が楽であることや、Chen2004モデルに含まれるEventやRuleなどの入力には、常微分方程式の入力ではあまり使わないようなCellDesignerの機能を使う必要があるからです。さらにパラメーターの書き方も、論文そのままの文字が使えないこともありますので(これは自由に変更したら良いものではあるのですが)、これもデータベースに登録されているモデルを参考にします。 まずはParametersを入れていきます。Table 2 のリストにあるもの(150ほど有ります)を間違えないように入れます(苦行です)。同じくSpeciesのinitialQuantityも入力します。この時、遺伝子や分解産物(アミノ酸など)は、boundary condition = trueに設定します。 パラメーターを入力 初期値を入力 次にTable 1の後半の代数ルールを入れていきます。 これは、RulesのAssignmentで入れます。 #自分メモ:エッジでつながっているSpeciesの値をAssignmentで決めることはできない仕様になっている。代数で値が決められる要素(Table 1の後半にリストされているもの)は全部parameterにする。Speciesの値をAssignmentで決めるには、boundary condition = trueにしなければならない。 さらにいつも出てくる関数に関しては、Functionsで登録しておくと便利です。このモデルでは、Michaelis-Menten式やMass Actionがよく使われています。これらはシンプルなので登録しなくても良い気もします。一番面倒なのが、タンパク質発現のON・OFFや酵素反応に使われているGoldbeter-Koshland kineticsです。これは登録しておくべきでしょう。 この辺りになってくると、セーブしようとしたらエラメッセージが出てきたりすると思います。大抵はパラメーターを作り忘れていたり、タイポだったりしますので、メッセージを読んでエラーを修正しながらセーブします。 Assignmentを入力 次にイベントをいれました。 数理モデルの構築(2/2):微分方程式を入力 微分方程式の部分の入力を行います。 微分方程式の解釈で注意すべきことが有ります。第2回でも少しかきましたが、方程式の右辺は、「作る反応」と「失う反応」に分かれています。これが、CellDesginerの描画方式では、その要素に対して「入ってくる矢印」と「出て行く矢印」にほぼ対応します。 ですからひとつの要素の時間変動を表す微分方程式をばらして、それぞれの矢印(エッジ)に式の部分部分を入力していく必要があります。 #自分メモ:Reversible = Trueにした場合、従来の方向をプラス、逆方向をマイナスのリアクションとして記載する。 途中「私はなんでこんなことをやっているんだろう・・・」と挫けそうになりましたが、休憩を挟んだりしてなんとか入力終了。多分間違いもたくさんあるでしょう。とりあえずセーブです。 Reactionsをすべて入力。 さていよいよシミュレーションを動かしてみます。 Control panelから、Simulationを選んで・・・。 やっぱりエラーが出ました。パラメーターの入力ミス(タイポ)のようです。入れ直します。 そしてシミュレーションを・・・今度はコントロールパネルが開きました。COPASI solverで動かしてみましたが、うんともすんとも言いません。どうやらどこかにクリティカルなエラーがあるようです。 ということで、ここからバグ取りが始まりますが、今回はこれまで。 「CellDesigner4.3でCell Cycleモデルを再構築してみよう(4 最終回)」に続く。 (Visited 633 times, 3 visits this week) システムバイオロジー ソフトウェア モデリング 細胞周期 論文 酵母
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